痛みが慢性化するメカニズム

痛みが慢性化するメカニズム

長時間に及ぶデスクワークや運動不足、スマートフォンの普及など…。

私たちの日常には、身体の特定の部分に偏った負担がかかった状態が長時間にわたって続く機会が多々あります。

また年齢を重ねるごとに身体の偏った部分の筋肉をよく使う様になったり、逆に使う機会が少なくなる部分が出てきます。

こうした身体の使い方の習慣に起因する”筋肉の使い癖”により、
・筋肉の異常な緊張
・血行不良
・老廃物(乳酸・リン酸・アンモニアなど)の代謝不良

これらが発生し、痛みを感じる様になります。

 

こうして発生した痛みが原因で、さらなる骨格の歪みや筋肉・関節に負担のかかる姿勢に繋がり、神経を圧迫し損傷するケースも多くあります。

こうして発生した痛みを脳が感知すると、反射的に痛みが起こっている部分の筋肉をさらに硬く縮んだ状態にさせてしまい、さらに神経を圧迫する負のスパイラルへと陥ってしまいます。
※痛みがさらなる痛みを呼んでいる状態

これらが進行すると、身体の痺れや機能障害が起こることもあるのです。

 

①筋肉の拘縮(硬く縮んだ状態)

偏った筋肉の使い方を続けていると、筋肉が過度に緊張した状態となり凝りや張りを感じる状態になります。
既に痛みを感じる場合もあります。

 

②体液循環の低下

筋肉の拘縮によって姿勢が乱れ、関連する箇所の血管やリンパ管が圧迫されることで体液循環不全(血液・リンパ液)が起こります。

これらが原因で、冷え性やむくみが起こることもあります。

 

③末梢神経の損傷

硬く拘縮した筋肉や姿勢の乱れが原因で、神経が刺激される様になります。

凝り・張り・痛みだけでなく、痺れや機能障害が起こることもあります。

 

④痛みの感知

発生した痛みを脳が感知すると、反射的に痛みが起こっている部分の筋肉をさらに硬く縮んだ状態にさせてしまいます。

これらが連鎖的に起こり、痛みの負のスパイラルに陥ってしまうのです


マッサージをしても、なぜ痛みは繰り返すのか?

あなたが抱える、慢性的な痛みが発生するメカニズムはご理解いただけたと思います。

痛みや凝りで身体が辛くなった時、あなたもきっと整体や鍼灸院などに通われたことがお有りだと思います。

施術を受けると辛かった箇所がスッと楽になり、痛みから解放された経験は多々あるでしょう。

日本の施術家の先生方は世界一と言われる様に、日本の痛みに関する治療スキルのレベルは高いものであると言われています。

※必要な時は、私も信頼できる先生に身体のメンテナンスをしていただいております!

 

しかし、少し思い出してみてください。

その痛みや辛さ、少し経ったらまた元に戻ってしまいませんでしたか?

痛みが発生している本当の原因

私たちの身体は、絶妙なバランスの上に成り立っています。

ただ立ったり座ったり歩いたりするだけで、全身の筋肉や関節が稼働しているのはご想像に容易いと思います。

これらの動きの中で常に理想的な身体の使い方を行なうことができていれば、偏った筋肉への過剰な負担はそう起こりえないのです。

しかし、現実はそうはいきません。

生きている時間を重ねれば重ねるほどに自身が楽に感じる姿勢や動きを自然と学習し、不良姿勢や使用頻度の高い筋肉、低い筋肉が出てきます。

①使用頻度の高い筋肉は、拘縮(硬く過度に緊張した状態)しやすくなる

②使用頻度の低い筋肉は、筋力が低下し弱化しやすくなる

 

施術によって、「①筋肉の拘縮」は取り除くことができます。

しかし多くの場合、「②筋肉の弱化」に関しては特に触れられることもありません。

 

繰り返す身体の痛み、そこには

「①筋肉の拘縮」+「②筋肉の弱化」=痛み

という方程式が成り立っています。

 

もうお分かり頂けたでしょうか?

痛みの負のスパイラルから脱出する為には弱化してしまった筋肉を特定し、その部位を筋力トレーニングによって適切な筋力レベルまで引き上げることが必要不可欠なのです。

 

身体の不調を改善するには、筋肉を緩めるだけでもダメ。筋肉を鍛えるだけでもダメです。

私がパーソナルトレーニングで重要だと考えているのは、両者のバランスです。

 

お身体の状態を適切に評価し、鍛える必要のある部分を身体の前後・左右で特定した上でトレーニングを処方すること。

※時には左右非対称なトレーニングが必要になることもあるのです。

並行して筋肉が硬く拘縮してしまった部位を特定し、タイ古式マッサージやストレッチなどのテクニックを駆使して緩めること。

 

これらをセッションの中で両立して提供しております。

さらに効果を高める為にご自身でできるセルフケアの方法や、セルフトレーニングの方法も必要に応じてご案内しております。

鍛えることと緩めることは表裏一体。

どちらかが欠けた取り組みは、やがて身体を崩壊させていくのです。